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②薪ストーブを選ぶ、もうひとつの重要な基準。

2 日前
読了時間: 5分

更新日:9 時間前


              重要度★★★★★               

          —薪ストーブを選ぶ、もうひとつの重要な基準。—        


住宅との適合性を判断するための材料


日本で薪ストーブ購入を考える際は、“欧州での正しい常識”を知ることはとても重要です。


薪ストーブを選ぶとき、私たちはついデザイン、炎の美しさ、暖房能力、価格から考えます。


しかしドイツの建築では、それとは少し違う視点があります。

建築設計者、住宅設備の専門家、そしてSchornsteinfeger(煙突技術者)など、それぞれの専門家が確認するのは、

「この薪ストーブが、この住宅の中で安全な設備として成立するか。」ということです。


特に高気密化・高断熱化された現代住宅では、薪ストーブだけを切り離して考えることはできません。


まず、建築設計から考える。


建築設計者が考えるのは、薪ストーブを「どこに置くか」だけではありません。

「住宅の断熱・気密性能、間取り、必要暖房能力、換気計画、レンジフードなどの排気設備、燃焼用空気をどこから確保するか、そして煙突をどのような経路で屋外へ導くか。」


薪ストーブを、建築を構成するひとつの設備として計画することから始まります。


住宅の性能が高くなればなるほど、この最初の計画が重要になります。

次に、その住宅に適した「機種」を選ぶ。


次に、その住宅に適した「機種」を選ぶ。


ここで初めて、薪ストーブ本体の選定が始まります。


単に「外気導入ができるか」だけではありません。その機種がどのような住宅環境を想定して設計されているのか。さらに、室内空気依存型なのか、室内空気非依存型として認められているのか。どのような認証・認可を取得しているのか。


「必要ドラフトはいくつなのか。」「排ガス温度や排ガス量はどうなのか。」「必要な燃焼空気量はどの程度なのか。」メーカーから、それを確認できる技術資料がきちんと提示されているのか。


デザインを見る前に、住宅との適合性を確認する。これがプロの機種選定です。


Schornsteinfegerは、さらに「成立するか」を見ます。


ドイツで重要な役割を担うのが、Schornsteinfeger(煙突技術者)です。

(※いうまでもなく日本でも同様に煙突技術者(薪ストーブ販売店は重要です)


Schornsteinfegerは、薪ストーブ本体だけを見て判断するのではありません。

機種の技術データや認証・認可、燃焼用空気の確保、煙突の仕様や高さ、必要ドラフト、防火上の離隔、換気設備との関係などを確認します。特に重要なのが、

「住宅の中で火を燃やしたとき、給気から排気までが正しく成立するか」という視点です。

たとえば高気密住宅で強力なレンジフードを使用すれば、室内が負圧になる可能性があります。

そのとき薪ストーブと煙突がどのような影響を受けるのか。


必要であれば、室内空気非依存型の機種や安全装置なども含めて検討します。


つまりSchornsteinfegerは、薪ストーブ+給気+住宅+換気+煙突

をひとつの燃焼・排気システムとして見ているのです。


DIBtやHKIは「選ぶための根拠」になる。


そこで専門家が判断材料として利用するのが、メーカーの技術資料や試験結果、DIBtの認可情報、HKIのデータベースなどです。


大切なのは、DIBtやHKIという名前そのものではありません。

「メーカーが安全だと言っている」ではなく、その安全性や適合性を第三者が確認できる根拠があるか。

ここを見るのです。


だから、同じように外気導入口が付いている薪ストーブでも、専門家から見れば同じ評価になるとは限りません。どのような試験を受け、どのような条件で使用することが認められ、その根拠となる資料が存在するのか。

そこまで確認して、初めて住宅との適合性を判断できます。


そして、煙突を「その機種に合わせる」。


煙突も、単なる煙の通り道ではありません。

薪ストーブには、それぞれ必要なドラフト、排ガス温度、排ガス量などの条件があります。

建物の高さ、煙突径、長さ、曲がり、断熱性能、屋根からの立ち上がりなどによって、煙突の働きは変わります。

そのため欧州の考え方では、「ストーブを決めたから、この煙突を付ける」だけではなく、「このストーブと、この住宅と、この煙突の組み合わせで、正しく燃焼・排気できるか」を確認します。


ここでも、薪ストーブ単体ではなくシステムとして考えるわけです。


最後に、「この住宅に、この一台でよいのか。」

こうして考えると、薪ストーブ選びの順番そのものが変わってきます。

「建築を知る。」「住宅性能を知る。」「換気を知る。」「機種の認証・技術データを確認する。」「給気を考える。」「煙突を設計する。」そして専門家が全体の成立性を確認する。

その先に、ようやく安全な炎があります。

だから欧州のプロにとって大切なのは、単純な「良い薪ストーブ・悪い薪ストーブ」ということではなく、住宅気密性能に合わせた薪ストーブ機種を選定すること。


その薪ストーブが、その住宅に適しているか。そして、そのことを証明できる技術的な根拠があるか。

そこまで見て、一台を選びます。

薪ストーブを単体の商品として選ぶのではなく、住宅というひとつのシステムの中から選ぶ。

それが、建築設計者、住宅設備の専門家、Schornsteinfegerたちが持つ、プロフェッショナルの視点です。


そして私たちは、この「選ぶ基準」こそ、これから高気密化が進む日本の住宅にも知っていただきたい、ドイツの大切な常識だと考えています。


建築設計 → 住宅性能・換気 → 機種選定 → DIBt/HKI等で根拠確認 → 給気計画 → 煙突設計 → Schornsteinfegerによる確認をして下さい。

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