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Vol.2-1 2019-10-15

外部から取り入れた少ない酸素量でも完全燃焼でき、さらに室内負圧に負けない熱量でスムーズな排気を行う。

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室内外部より新鮮な燃焼用酸素を取り込み、火室の中を酸欠状態にしない事。

【高気密住宅設置への常識】

省エネ住宅を正しく理解することが重要

省エネルギー住宅を正しく理解したうえで、薪ストーブの是非を考え、さらに薪ストーブ本体機種選びをすることがますます重要になってきました。
2020年省エネ基準適合義務化は「見送り」 になったものの、新築住宅における「気密」「断熱」は今後ますます高性能化して行くことは言うまでもありません。その様な背景の中、ドイツなどと同様に、薪ストーブを新築住宅に設置する際の重要課題は、


「薪ストーブ本体機種選び」=「気密性能における換気扇選び」になっていくことを考えておきます。

少し簡単にご説明していきます。高気密住宅は、気密性が高いために、カビの発生やシックハウス対策として24時間換気が義務付けられております。その際に空気のよどみをつくらない為、内外気圧差において「室内を負圧」にしております。(負圧とは、 排気の力を強く、給気の力を弱くした状態で室内の気圧が下がっている状態をいいます。)
その状態で、
薪ストーブを何の対策もせずに使用してしまうと、煙突が吸気口になり、煙や有毒ガスが逆流する恐れがあります。
そのようにならないためには、「薪ストーブ本体機種の選定」と、「換気能力による給気口の配置」、さらには「必ず給気は専用の外気導入ダクト」でとらなくてはなりません。

①「本体機種選定」
ドイツではパッシブハウス(省エネ性、断熱性、気密性は世界トップレベル)などの高気密住宅で使用する際には、ドイツ建設技術研究の認証のDIBt認証薪ストーブしか使用することが出来ません。最近では安全のため、それほどの高気密住宅でなくてもDIBt認証機種を選ぶ方々が増えてきております。
②「換気計画」
薪ストーブ設置において、換気計画をたてる際には、24h換気システム以外の換気扇「レンジフード」や「浴槽」「トイレ」等の強力な排気能力を考慮して計画を立てなくてはなりません。薪ストーブ本体背面などに
「※負圧対策用の開閉式給気口」などを設置し、レンジフードなどご使用になっても薪ストーブに影響しないようにします。

【ここで、注意!】
省エネ住宅では、薪ストーブ背面の“負圧対策給気口”を薪ストーブ燃焼用給気口として考えてはいけません。負圧の状態で背面に給気口が室内にあっても、室内空気は排気されてしまい、薪ストーブ燃焼用の空気が足りなくなり、不完全燃焼、さらには有毒ガスの逆流になってしまいます。

③「外気導入専用ダクト」
薪ストーブ設置にあたり、薪エネルギー燃焼には給気量が最も重要な設計計画です。
昨今のほとんどの住宅性能では室内空気に依存することは、もはや無理と言っても過言ではありません。しっかりと外気から燃焼用酸素を取り入れてください。

「火室に入る薪の量=十分に燃焼できる酸素量」のバランスを理解することが重要で、今までのような室内空気に頼る施工は、もはや昔の話であり、現在の住宅ではとても危険な考え方の一つです。古い考えや、情報に惑わされずに正しい施工を。

以上が、高気密住宅に薪ストーブを設置する際に、最低限知っていなければならない事となります。この中で出てきているDIBt認証は次回詳しく書こうと思いますが、DIBtとは、本体溶接部の接合範囲(溶接)や給気、排気、自動ロックシステムなど逆流するリスクを限りなく少なくする研究認証機関「ドイツ建設技術研究所」の略称です。
薪ストーブ本体機種の選択は、慎重に行ってください。

 

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~換気計画と給気口~

薪ストーブのそばに!

負圧対策用給気口
(不必要時閉口可)
+αで設置

24h換気用給気口
(常時開口)

同時吸排型の
レンジフード、又は
キッチンスペース内に専用
の給気口を設けよう!

外気導入は常識
薪ストーブ燃焼用空気は
室内空気に依存しない事!

外気導入給気アダプター

快適な薪ストーブ生活を送っていただくために、換気計画を今一度ご確認ください。薪ストーブ本体は、床下もしくは壁からの外気導入・煙突からの自然排気により、給排気が完結しています。しかし、レンジフードなど、強力な排気扇により、一時的に負圧が急激に強まる可能性があります。薪ストーブは過度な負圧による影響を受けやすく、煙の逆流の原因となります。
給排気のバランスのとれた換気システムで、煙の逆流の心配のない、快適な薪ストーブライフをお送りください。

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