Wood stove information news
Vol.2-2 2019-10-15
今回は、2018年ドイツ本国発売のエレメンツです。日本国内では2020年からの販売開始となりますが、一足先にご紹介したいと思います。エレメンツが“世界初の組み立て式薪ストーブ”ということは、以前にもご紹介させていただきましたが、ヨーロッパでは発売以来、高い人気を誇り、今では類似商品(デザインを似せたもの)の組み立て式システムは、さほど珍しくなくなりつつあります。
設計を手掛けたヴルフシュナイダー教授曰く、『様々な住環境にマッチし、お客様が自ら組み合わせ、デザインを考案できる、オリジナルであるエレメンツを真似ることはできない』と語ります。なぜならば『スキャンサーム製品はデザインと生産がうまく噛み合った、他が真似をできないもっともよい例だ。』と評しているためです。
設計は教授ヴルフシュナイダー。プロダクトや家具のデザインを40年以上重ね、彼がデザインを手掛ける製品は、グッドデザイン賞、IFデザイン賞、ドイツ連邦共和国デザイン賞、スチールイノベーションアワードなど様々な賞を総なめにしています。
なぜ、スキャンサームのガラスは煤けない。
煤けないガラスの条件は、《ペアガラス採用》。
まず、プロの薪ストーブディーラーや、薪ストーブを熟知する方が最も驚愕するのは、“煤けない、きれいな、大きいガラス”です。
通常、ガラスの面が多ければ多いほど火室の温度が外部に奪われてしまい、炎を眺めたくても「ガラスが煤けて真っ黒になってしまう」のが一般的常識でした。そのために、大きなガラスを採用したくてもある一定の大きさにとどめざるを得ませんでした。もしくは、ガラスに煤が付着しないために、エネルギーカロリーを高くするため、多くの薪を投入して燃焼温度を高める必要がありました。
しかし、スキャンサームはここが違います!!。
少ない薪の量でも火室の温度を下げずに煤けることなくガラスをきれいな状態で燃焼させることを可能にしました。これは、前回のエレメンツコーナー2.0でも述べていますが、火室内部の保温性能を高めていることによるものです。
右写真をご覧ください。エレメンツ603 3Sは、603フロントとは違い「前面」「側面」とガラス面が多いため、火室の温度を下げないよう、空気層6㎜の複層ペアガラスを採用しています。これにより、高い保温性能を可能にしているのです。
次に、サイドパネルを外してみましょう。エレメンツ603 3Sの「側面」「背面」パネルはスキャンサーム社の高いマグネット技術によって製造されており、メンテナンス性などを高めています。上部左写真から中央、右と、簡単に取り外すことが出来るのがお分かりいただけます。
もちろんサイドパネルには、本体とパネル双方にガラスがあり、通常接続時にはペアガラスとして本体火室の保温性能を高めています。
さらに、高気密住宅対応機種である603 3Sのサイドガラスの固定は、ビスなどの簡易的なものではなく、鋼板ホールド部材で、点ではなく面そのものを固定していることが見て取れます。
背面保温性能は「バーミキュライトの遮熱力」+「3層ボディ」
エレメンツ603 3Sのバーミキュライトは、前号でも述べていますが、もちろん800番の30㎜を使用。
さらに背面の構造は「本体ボディ」「遮熱ボディ」「化粧ボディ」と互いに空気層を設けながら3層構造になっており火室の保温性能を保っています。
外気導入給気取り入れ口は、4か所から可能。
エレメンツは「前面」「側面」「背面」「天板」と、見えるボディすべてを化粧にするといった徹底ぶり。エレメンツは、ただ単に壁沿いに設置する古き時代の暖房スタイルではなく、中央、出隅、入隅、壁面と様々な用途、スタイルに合わせたヒーティングファニチャーであるため、このような、どこからでも美しく給気が取れるため前面以外、すべての面に取り入れ口は準備されています。スキャンサームは、本当に一切の妥協がありません。