スキャンサームタイムズ《薪ストーブ先進国ドイツ常識紀行》
第一弾は、薪ストーブの法律・法規

まず、「現在の日本の法律」を簡単にご紹介します。残念なことに日本の法律は、「薪ストーブ」という文化が無かったために、世界よりかなり遅れていることを先に述べておきます。日本の法律では、大きく「煙突」と「本体」について述べられています。煙突は、昭和25年に建築基準法施行令第115条によって、煙突と可燃物(木材など)を「15㎝以上離して設ける」「屋根面からの垂直距離を60㎝以上とする」などと明記されていますが、今から70年近く昔の話なので参考になりません。また、本体は平成21年「火気使用室」の内装制限が緩和され、決められた範囲を「特定不燃材料」で作れば良い事になりました。これが事実上、初めての薪ストーブを前提においての基準かもしれませんが、文化が無かった日本においてはまだまだ、課題は山積しています。

《薪ストーブ先進国ドイツ 常識紀行》

薪ストーブ使用が盛んなヨーロッパにおいては、大きく「ヨーロッパ全体の法律」と、「ドイツ国内の法律」で考えます。「ヨーロッパ全体の法律」では薪ストーブに関する規則(EN13240)があり、排気などを中心としたもので、ヨーロッパ全域で同じ基準、いわゆる「EU基準と言われており、ヨーロッパの薪ストーブ製造会社全てが遵守しなければならない統一基準となります。しかし、この規制は世界的に見ても、そこまで厳しいものではありません煤塵(ばいじん)や、一酸化炭素、燃焼効率などが規制されていますが、中でも煤塵が一番重要とされており、この基準をクリアしていれば、ヨーロッパ中で薪ストーブを販売することが可能とされていますが、それぞれの国や地域でより厳しい規制がされていることや、名高いディーラーやチムニースイーパーはドイツ基準を参考にすることも少なくないといいます。
日本で規制がほとんどないのと同じように、多くの国が、国独自の規制をもたないため、ドイツの規制を参考にしていていることが多く、ドイツが絶対とは言い切れないものの、ヨーロッパ内では、ドイツの基準をクリアしていれば、ほとんどの国で薪ストーブを販売することが可能だと言われています。

ドイツ国内には、さらに「セキュリティー基準」があり、ドイツ建設技術研究所が認証する「DIBt認証」がこれにあたります。

これはドイツ国内でしか知られていない基準で、この基準は、排気等環境に関する点は全く考慮しない、使用者の安全上のみの基準になります
スキャンサームは、パッシブハウスや省エネ住宅など、近年の住宅性能の向上に対応できるよう、他メーカーと比較しても、セキュリティー基準をかなり高く設定して、ほとんどの機種がDIBt対応の認証を取得しています。

薪ストーブ設置の際の「離隔距離」に関しては、ドイツの基準はとても厳しいので、ドイツの規制をクリアすれば、どの国の規制にも問題はないと言われています。また、薪ストーブ本体及び煙突は、チムニースイーパーの検査を受けなければ使用することはできません。
 

 

ドイツでは、自分自身で薪ストーブ設置を行うことも少なくありませんが、その際に、初めて薪ストーブの燃焼をさせる前に、チムニースイーパーにコンタクトを取り、検査を受けなければなりません。ここで、チムニースイーパーにより、施工に問題がないかどうか調査を受け初めて使用することができるのです。これは、法律で決められているため、設置後最初の段階で必ず行わなければなりません。(※次回細かく書いていきたいと思います。それほど設置業者の知識が重要となることを十分にご理解下さい。)
 

 

設置業者も重要ですが、使用者皆様の知識もとても重要となります。

日本ではいまだに知識不足で行われている、いわゆる「夜焚き」。この、夜焚きに関しての法規制などはドイツでもされていませんが、とても危険で、安全に記する大変重要なことなので、ドイツの常識として知っていただきたいと思います。


 

日本では「最大燃焼時間」を“就寝時間よりも長く”記載されていたりしますがとても信じ難いことです。
ドイツを中心とするヨーロッパでは、火室に入れられる薪の量は限られています。それ以上の量を火室に入れてしまうと過剰燃焼になってしまうので、日本のように火室に山盛りに薪を入れることは間違ってもありません。つまり、数時間毎(2時間~3時間)に起きて薪を追加しなくてはならなくなるので、必然的に夜焚きをする人はいないと言えます。
ドイツでよくある光景は、寝る前に薪を何本か追加しておき、寝るまでの間を暖かくするというもの。その際の空気量は通常の運転と同じで、
“過剰に酸素は絞りません”。

一次空気は絞りますが、二次空気は十分に供給する状態です。

【ここで、豆知識】
日本でよく語られる「オーロラの炎」…実はとても危険です。薪を大量に入れ、過剰燃焼した後に「一次・二次空気を絞る」。火室内部の温度は過剰燃焼の為550℃以上になっているので、火室上部にたまった有毒ガスが燃焼し、30秒から1分程度燃焼します。しかし、火室温度は徐々に下がり、上部オーロラは消えてなくなります。その際の薪ストーブ火室内部は、「一酸化炭素が充満」している状態。もし、そのまま長時間放置しておくと、換気によってたまった一酸化炭素が逆流する恐れもあります。本当に今からの省エネ住宅では危険です。
また、「我が家はオーロラ燃焼が長く続くので大丈夫!」と思った皆様は、火室内部が常に550℃以上の過剰燃焼状態なので、薪ストーブ本体を早く痛めてしまいます。いずれにせよ、安全にお使いになることをお勧めします。


 

日本の場合は、いかに朝まで種火を持たせるか、と安全を度外視した間違った目的が存在するため、“二次空気も絞ってしまい、不完全燃焼”で焚き続けてしまいます。とても危険です。
二次燃焼用のレバーは夏場や、長期間薪ストーブを使用しない時だけ、空気供給を遮断する為にあります。夏の間にもドラフトは起きている状態なので、湿気が流入してしまったり、弊害が生じる事を防ぐのです。

それでは、次号をお楽しみに!

2019年10月15日は、ドイツでは煙突掃除の日です。皆様方の安全の為、煙突掃除を行ってからご使用下さい。

以下にオススメ動画をリンクします。ドイツのちょっと素敵な動画、是非ご覧ください。

Wood stove information news

Vol.1-4 2019-09-15

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