スキャンサームが教える高気密住宅設置の常識Q&A
危険回避~安全啓蒙
高気密住宅で薪ストーブを使用するうえで最も重要になるのが、
住宅の負圧です。
現在の戸建て住宅は、2003年に義務化された24時間換気システムの導入(主に第三種換気)と、住宅の気密断熱性能の向上によって、もともと一定の負圧状態が作られています。そしてさらに、新築から5年、10年と経つことで気密環境は大きく変わります。一番大きな変化をもたらすのが、第三種換気システムを始めとする、給気口へのほこり等の目詰まりです。
想像してください。
1年目のフィルターへのほこり。そして5年目。
排気量は機械換気なので変わらないものの、給気口がほこりで詰まってしまうために気密性がより高まり、ほかの個所の隙間から空気を強制的に吸い込んでしまいます。
そこが、ドラフト(上昇気流)が低下した炉内が炭でいっぱいの薪ストーブからではどうでしょう。とても危険です。
その対策としてスキャンサームは以下ように取り組んでいます。
①本体複層ボディにおける断熱性能の向上
本体の断熱性能を高めることにより本体から外部へ熱輻射することを抑制することで炉内の温度を高温に保ち続け、外気導入の冷たい空気が吸気されても炉内を冷ますことなく500℃以上の高温を保ち続け、一酸化炭素の原因である不完全燃焼を
予防しますので安心です。
②外気からの給気アダプターメーカー指示による義務化
専用の外気導入を設けずに室内空気に依存することは通年かけて考えると非常にリスクが高いとされています。そのため、薪ストーブ用の燃焼空気は室内に依存せずに外部から専用ダクトにて給気されますので安心です。
③本体ベースボディの完全溶接
薪ストーブは常に高温で燃焼されるため、鋳物、鋼板を問わず変形していきます。その変形時に隙間などができてしまったら大変です。その変形に適合するため、スキャンサーム全機種は全ての主要個所を溶接しています。さらに熱膨張などを起こさないため、4mm以上の鋼板しか使用していませんので安心です。
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高気密住宅で薪ストーブを使用したいのですが、
一酸化炭素中毒の恐れがあると聞きます。
心配です。
Q
A
CO
?
木材を燃焼させる薪ストーブなので、煙を出さないことは非常に困難です。
しかし、業務用の焼却炉などをイメージしてください。
焼却炉の断熱性能を高めることにより、1000℃以上の高温で燃焼させるため、煙などがほとんどないことがわかります。
スキャンサーム社製の薪ストーブは本体から熱を輻射させることなく、断熱性能を高め、煙の燃焼温度となる500℃以上まで即座に上がるよう設計されていますので、おそらく今の日本においては一番煙が少ないといえるでしょう。
「本体から熱を輻射させないで、暖かいの?」
ここで、皆様がご心配になるのは、この質問ではないでしょうか?。
それが、驚くほど暖かいです。
熱回収は前面ガラスから行うのですが、本体断熱性能が高い事は、つまり他薪ストーブと比べて明らかに炉内が高い温度で燃焼しているため、前面ガラスからの放射熱は想像以上に驚きです。
そのことは、煙をより多く燃焼していることを意味します。
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近隣への煙が心配です。インターネットなどの書き込みなどに近隣トラブルになっているケースなどがあります大丈夫でしょうか?
Q
A
Q
A
ハウスメーカーに「住宅性能が高いため薪ストーブは無理です」と言われました。
理由をお聞かせください。
Q
出展:photoAC
A
まず初めに、日本では薪ストーブメーカーによる新製品お披露目展示会がないことが一番の要因といえるでしょう。
薪ストーブが盛んな中央ヨーロッパでは大変多く、大きな薪ストーブ展示会が毎年開催され、薪ストーブ業者はもちろんのこと、世界各地からビルダー(住宅設計施工業者)が訪れます。
そして、大きく進化を遂げている薪ストーブの見学、勉強をします。
パッシブハウスなどを始め、住宅性能の高いドイツでは、国が定める基準がしっかりと設けられており、パッシブハウスを始めとした新築住宅への薪ストーブ設置は、ドイツ建設技術研究所が発行するDIBt認証を受けているものでなければ使用できません。
逆を言えば、DIBt認証は住宅性能に合わせた安全な薪ストーブとしてみんなに支持されているのです。
しかし、日本では残念なことに、今まではスキャンサーム社製の薪ストーブのように多くの進化をしている薪ストーブが日本には少なく、大変大きな薪を投入して煙を多く出し、時には室内に逆流してしまうなど良くない評判が立ったのだと思います。
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薪の手配が大変と聞きます。何か良いアドバイスはありますか?
Q
A
薪づくりは、正直大変です。
まず、軽トラックを購入して原木の手配。そして、チェンソーで使用する薪ストーブの指定薪サイズに玉切りし、斧では大変なので薪割機を購入して、薪割り。
もちろん、その一連の薪づくりを楽しんでいる方々も大変多くいらっしゃいます。
しかし、ここではそのほかの方々に向けて書き出していきたいと思います。
スキャンサーム本社があるドイツでは、日本のように、薪ストーブユーザーがご自身で薪をつくる事はほとんどありません。薪は他燃料と同様に全て購入します。
理由は簡単で、郊外の住宅ほとんどに薪ストーブが設置してあるため、原木をもらえることなどは決してないそうです。
さらに、薪販売業者は、販売した量に見合うだけの新規植林を環境保護のため義務付けられているそうです。
そのためとても広大な土地がない限り薪の販売業者にはなれないとのことです。
話は戻り、スキャンサームを購入する方でとても増えているのは、薪小屋などをつくらずに、20個単位で段ボール入りの薪を購入し、クローゼット(物入れ)などで保管。そして週末だけ薪ストーブを楽しむ方々が急増しています。
スキャンサーム指定、薪サイズは30㎝×6㎝程の小さな薪のため、購入してもよし、または、ご自分でつくる際にも、今までのような40㎝×10㎝以上の大きな薪とは違い、30㎝の長さが10㎝短くなったことにより、薪割りも機械などを使わずに簡単に割れるようになったとのこと。
さらに、本体断熱性能が高く、保温性の高いスキャンサームは、わずか10分程で最大燃焼効率を可能にしている為、従来の薪ストーブと比べると驚くほど、薪の消費量が少なくなりました。